信濃便り・野沢菜篇

長野の友人から、例年通り林檎を送った、とのメールが来ました。

【師走は1日が短く、しかも日を追うにつれ加速度的に短くなるような気がします。

 長野では野沢菜がスーパーの店先に並ぶようになりました。今年の出来は良いらしく、見事にのびのびと育ったものが一束(4kg)400円。写真でおわかりのように、根の部分を切り落とした形で出荷されています。野沢菜漬などの漬物が惣菜の頼りだった昔とは異なり、各家庭で漬ける量は本当に少なくなりました。コロナ禍の今冬は都会から帰省してくる家族も少ないし、そもそも都会で食べる野沢菜は全く別物なので、無理して宅配便で送ることもないとの思いもあるようです。

我が家も20kg漬けます。マスクをつけての野沢菜選びは今年だけにしたいものです。】

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店頭の野沢菜

野沢菜漬は長野県民のソウルフード。各戸によって漬け方が少しずつ違うようで、かつては姑から嫁へ伝えられる「家の味」だったのかもしれません。今は作り手が自由に工夫を凝らしているらしく、その微妙な違いにこだわりがあるようです。いちど本場の味を試食したいから、タッパウェアに入れて宅配で送ってくれと頼んでみましたが、送っている間に味が変わるから、こちらへ食べに来てくれ、とのこと。

博多が父祖の地である我が家でも、東京で売っている高菜漬は全く、似て非なるもの。決してスーパーで買ったりはしません。

追記:今日のメールには【起きてみると、隣りの家の屋根がうっすらと白くなっていました。夜中に雪が降ったようです。いよいよ年の瀬です。】とありました。