体験的電子事情・端末故障篇

PCから不審な音がし、起動時にファントラブルのメッセージが出るので、修理に出すことにしました。単純な故障だと思ったので、近くの出店を探し、池袋のサンシャインビルにタクシーで出かけました。タクシーに乗るのはコロナ以来2年ぶり、白髪の運転手に景気を訊ねると、街は宅配ばかりだ、自分も今は派遣だが、と言う。元はPCの技術者だったと言うので、この仕事の方がいいのかと訊くと、変わるのが早くて、との返事。軽くするために部品がどんどん小さく、脆くなって扱いにくくなった、と呟きました。

なるほど年を取ると、小さな壊れやすい物は扱いにくい。降り際に、捻子なんかすぐ折れるから、自分でやらない方がいいですよ、と声をかけられました。サンシャインビルは建った時は鳴り物入りでしたが、ずっと用がなく、入るのは初めてです。何度も案内係に訊きながら辿り着いて吃驚。私はビックカメラのレジをイメージして行ったのですが、現実は駅地下によくある靴修理カウンターのような一角でした。

故障を調べるのに3~4日、見積額を通知して承知したら修理するが、部品の取り寄せに1~2週間、修理後代金の振り込みを確認してから引き渡す、と言う。4日後電話があって、ファン交換が必要だがファンは中国製、パラ五輪やウクライナ情勢でもっと遅れるかも知れない、とのこと。どうして私の端末修理をプーチンに延引させられるんだ、と思いましたが、もう預けてしまったのでOKするしかない。

なるべくITに支配されない生き方をしてきた所存でしたが、ネットもワープロもメールもないとなると、今や無為徒食の日々しかないことを悟り、衝撃を受けました。やむなく、廃棄しそびれていた旧端末のOSをW10に換えて使えないか、知人に教えて貰いながら試行することにしました。当てずっぽうも交えてどうにかW10をダウンロードし、セキュリティソフトを購入、インストールしたものの2時間格闘しても有効にならず、知人と電話でやりとりしながらようやく「安全」の表示が出た時は、脱力しました。

ワープロ機能を2010年からバージョンアップしていないのを口実に、原稿作製は棚上げすることにしました。つくづく思ったのは、日本のIT化が遅れているのは新技術の導入が遅いからではない、民間インフラの整備が先決だ、と思いました。ITはカネクイムシです。まして予備の端末やアプリも常備するとなれば、費用も手間も文房具のようにはいかない。小学校でプログラミングを習う世代はPCへの恐怖心はないでしょうが、サービスシステムと経費とが、せめて家電製品並みにならなければ普及は難しい。

かくてブログとメールは再開しましたので、よろしくお願いします。