再見

冬季北京五輪が終わりました。パラリンピックはこれからですが、東京五輪とは違った意味で、いろいろ考えさせられた五輪でした。閉会式はTV視聴の限りでは素晴らしかったと思います。合間に流されるフィルムには、市井の人たちがたくさん映っていて、いい笑顔(勿論、撮影だからですが)が次々に流れ、ああ、あの人たちと仲良くやりたい、とつよく思いました。どうか、仲良くやっていけるようにして欲しい、政治で邪魔をしないで欲しい、とも。

顔が見える、ということは大事です。若い世代にはもう、中国の人たちと直接つきあいのある人がたくさんいることでしょう。いざという時は、彼らに、頼むよ、と言っておきたい気持ちです。そして、旧正月にはランタンを点すとか、別れには柳の枝を送るとか、中国古来の習俗を私たちが学校時代から知っている(漢文を習ったおかげです)ことも、結構大事だと思いました。

何と言ってもアジアでは、中国が文明発祥の地だった(印度もですが)ことは否定できません。欧米でギリシャ、ラテンを大事にするように、私たちの文化の根本には中国文化が据わっている。

五輪そのものには不可解な、あるいは不快なことも続発しました。国家に(もしくは野心的なコーチに)囲い込まれた若い選手を視るのは堪えられず、堂々としてきた坂本花織の演技も視ませんでした。ドーピングや競技用スーツに助けられて成果を挙げるスポーツなんて、スポーツと呼ぶに値するのか、と疑問に思いました。

いま北京の人たちは、達成感と疲労と後始末日程の中にあるでしょう。歴史的にも地理的にも困難を抱えながらの巨大人口。でもお互いに賢くやっていきたい。再見!