会議工作

昨日の新聞に、第2次大戦中に米国諜報機関が、敵国の組織を弱体化させるために会議を骨抜きにするマニュアルを作っていた、という記事が載っていました。曰くー会議の人数は多くせよ、関係のない話をできる限り持ち出せ、逸話や個人的体験を説明して長くスピーチせよ、以前の決定事項を再度問い直せ、決議や文書の細部を取り上げて掛け合え。えっ、こないだまでいた世界で日々見聞きしていた事例ではないか。

どこの職場にも、いや、マンションの管理組合にさえ、こういう人物はいます。しかも会議の度ごとに必ず彼の(彼女の)手が挙がる。スパイ工作のマニュアルに出ているなんて、話ができすぎてる、嘘だろ、と思って読み直しましたが、米国のCIAの前身OSS(戦略事務局)という情報機関が1944年に作成した「簡易サボタージュマニュアル」という題の秘密文書だと書いてあります(朝日朝刊 2022/02/13付13版22面)。

どこかの地方議会運営のコツとして、会議には少し早めに行って談笑し、その場の雰囲気を引き寄せておくことだと語った政治家もいました。逆に会議後ぐずぐず居残って、その日決まった気に入らない案件について幹部とあれこれ話し、運用面で取り崩してしまったり、次の局面を用意したりする人物もいます。会議室には時間ちょっきりに入って、終了後はぱっと出て来る、それが一流の流儀、と私は信じています。

会議の回数を減らすのは正負両面があります。私は喫煙室という別会議室が曲者だと思っています。オジサンたちが集まって紫煙をくゆらしながら、外には聞こえぬ話をする。無色透明な話だけのはずがありません。時間短縮は必要だが、能力のない司会者は、時間が無いという葵御紋で議論を遮断するのが常。オンライン会議が御前会議になりやすいことも、以前このブログに書きました。要はー質問されて困るような事態にするな。