春遠からじ

明日は大雪、としきりに天気予報が言うので、昨日のうちに菊坂下の酒屋まで出かけ、あちこちへ雪見酒を送りました。老人ホームにいる従姉には、仏蘭西の白ワイン。いつも春に面会に行ったのですが、今年は行けそうにありません。電話したら、ホームの食堂は閉まり、食事は各室でとのこと。早々に3回目ワクチン接種はしたが、万一発症するととてもここにはいられなくなりそうで気を遣う、と言っていました。

勿論、自家用にも買いました。長野で作る、酒神の名のついた日本酒が今年はグランプリを獲ったそうで、我が家には純米酒、祝事で送る先には大吟醸

今朝起きたら一面銀世界かと思いましたが、降り始めたのは10時過ぎ。午後には細かな雪がしんしんと降り始め、雪見酒は今夜から明日の朝にかけてが出番のようです。煮物に合う食材は何があったかな、と考えながら掃除をして、雛飾りを出しました。

f:id:mamedlit:20220210143835j:plain

霙に濡れる沈丁花

目黒通りで見かけた、と友人から写メールが来ました。最近は沈丁花を植えている家が少なくなりましたが、私たちが10代の頃は庭付きの家なら必ずと言っていいほど、八つ手か青木、それに沈丁花が植えてありました。国立大学一期校入試の頃に咲き、香りで慰められた花です。友人にとっても大学入試の記憶と結びついているようでした。

我が家の庭では、紫華鬘のロゼットが葉を広げています。羽状の葉の縁が寒さで紫になって、風情があります。一昨年、本郷通りの並木の根元に誰かが捨てたかのようにひょっこり咲いていたので、採種して播いたのですが、一度芽を出してそのまま枯れ、昨年の末にまた芽を出してきました。調べると、そういう複雑な成長をする草なのだそうで、一旦枯れて地中に塊根を作らないと開花しないらしい。とすると順調に生育しているわけで、春が待たれます。