躑躅の街

朝、顔を洗おうとしたところで、ピンポーンが鳴りました。宅急便にしては早すぎる、ゆうパックならロッカーへ入れて行くだろうと思って、インターホンの映像を呼び出してみると、何やら装備万全の男たち。消防署だが階下の家に立ち入る必要があるので、ベランダの非常梯子を使うかも知れないと言う。こちらは未だパジャマ姿です。どうすればいいんだ、とりあえずズボンだけでも穿き換えるか、とうろうろ。

先日エノキさんと、最近の若い人はパジャマを着ない、スェットの上下で部屋着・寝間着兼用、コンビニくらいへは外出もする、という話をしたばかりでした。パジャマはデザインも柄も、はっきり「パジャマです」と名乗っている。スェット生活は合理的なのかも、と考えたところで、隣室から入れましたとの連絡があり、やれやれ。残り湯に入って毎朝恒例のストレッチをこなしました。後で聞くと、高齢夫婦の世帯に電話しても応答がないからと、マンションの管理人(思い込みのつよい女性なんです)が消防を呼んだらしい。じつはお向かいにお子さん夫婦が住んでいるんだけど・・・

買物に出たら、外はすっかり躑躅の街になっていました(米子の街を思い出します)。再開発されて新築ビルが建ち並んだ春日町では特に、新緑の木々の下草代わりに、鮮やかな色の躑躅が姫卯木や山吹と共に植え込まれています。本屋へ寄り、スーパーで野菜を買って、菊坂の裏通りを歩いて帰りました。かかりつけ医が突然辞めてから2、3年通らなかった間に一戸建てやアパートが随分建て変わり、カフェが1軒開店していました。いつか人と待ち合わせることがあるかも知れない、と名刺を貰って帰りました。

坂の手前で管理人に遭いました。階下はただ外出中だっただけらしい。独居老人は人騒がせの種だと疎まれないようにしなくては、と思いながら坂を登りました。