『乱世を語りつぐ』出ました

軍記物語講座第4巻『乱世を語りつぐ』(花鳥社)が出ました。内容は本ブログのお知らせカテゴリーにも出してありますが、花鳥社の公式サイトに詳しい目次が載っています。しおりには木下華子さんが「遁世者と乱世」、田中草大さんが「真名本の範囲」と題して書いています。

本シリーズは、花鳥社の旗揚げを祝って企画されました。今年の4月末には全巻完結という予定だったのですが、諸般の事情で遅れ気味のところへ、コロナの打撃を受けて、すでに2ヶ月近く遅れてしまいました(受け渡しの多い仕事は、当人は在宅ワークでこなしている所存でも、結果的にジョイントごとに遅れたり手違いが生じたりで、だいたい1.5分の1の速度になると考えた方がよい)。

しかし内容は、従来にないものに仕上がったと自負しています。Ⅰ室町という時代(総説) Ⅱ武家政権の陰に(『曽我物語』『義経記』) Ⅲつづく戦乱(室町軍記) Ⅳ戦国から偃武へ(室町軍記と芸能の周辺) という4部構成を取っていて、勿論、室町から戦国時代の軍記物語すべてをカバーすることはできないものの、おおよそこの時期の面白さ、問題点を示唆することはできていると思います。

室町時代の研究は、新しく参入する伸びしろもあり、従来の先入観を捨てて日本文化を見直す可能性もある分野です。学会が開催されないので、直接手に取って確かめて頂く機会を用意できないことを、版元が残念がっています。表紙デザイン、見返しその他の色合いも、なかなか瀟洒に出来ました。

古典文学は高校で読んだだけのエノキさんが、私の机上にあった第1巻を見て、「軍記物語は各地に伝説・遺跡があるのが魅力ですよね」と言ったので、思わず歓声を挙げてしまいました。そうそう、それを伝えるための表紙です!