西瓜

今年初めての西瓜を食べました。初物は75日命が延びる、と祖母たちはよく言いましたが、新しい季節に巡りあう喜びをそう表現したのでしょうね。スーパーの店頭で安かったから(コロナ対策か、透明の袋に入れて売っていました)ですが、仏壇に上げて喜ばれそうな気がしたのです。

日本では西瓜は夏の風物詩ですが、砂漠では命を救う果実なのらしい。アフガニスタンに緑をもたらした中村医師の遺志を継ぐ現地人たちが、初めての収穫として畑に積み上げた西瓜を囲んでいる映像を見ましたが、日本内地よりも遙かに切実な、収穫の喜びだったことでしょう。

最近、スーパーでは青物が思いがけなく安いことがあります。昨日は、新しい茗荷がいつもの半値だったので、2パック買いました。普段は出来ない炒め物にしてみようと思っています。生産・流通の見込みと、消費のバランスがいつもと違ってしまったのでしょう。しかし、安いことを喜んでばかりはいられません。このツケは必ず戻って来る、と思っていなければなりません。

そろそろ夏の花を、と花屋で日々草の苗を買いました。花屋の主人が、花市場は今、品薄で散々だと言う。殊に鉢物や苗は売れないので市場側が入荷を断っている、とのことなので、「ステイホームで、鉢植えが流行っているんじゃないの?」と訊いたら、それは4月当初だけ、冠婚葬祭がないので、切り花も鉢も全然売れないそうです。こうしてみんなの懐ろを、じわじわとコロナショックが浸食してくる。不景気はこれからです。

西瓜の種を1粒、釣鉢に埋めてみました。レースのような葉なので、夏の観葉植物代わりにいいのではないかと。