猫に関する疑問

外出を控え、人との接触を避け、はや3ヶ月。さすがに鬱屈し、起き抜けに、ツイッターの画像を見ることが多くなりました。空や花や、朝食の画像と共に、ペットの写真が多い。犬、猫に混じって時々変わったペットが出てくるのも面白いのですが、猫の写真を眺めると気晴らしになります。

ちょっと驚いているのは、室内で猫を飼っている人がこんなにもいるのか、ということ(複数匹の家もある)。子供の頃(70年前です)、猫は家々を渡り歩く、半野良の飼い方が普通でした。可愛がっても、家には上げませんでした。襖障子が破られ、柱も畳も傷だらけになるからです。現代の猫は爪研ぎをしなくなったのでしょうか。

もう一つ不思議なのは寝姿です。仰向けに腹を丸出しにして寝る、時には起きていても腹を出して座っている。猫は丸まって寝るか、踞ってうつらうつらするのが当たり前の生態だと思っていました。飼い犬は甘えて腹を出して寝転がることがあるが、猫は最後まで警戒心を捨てない、そこがいい、と思っていたのですが、今は違うようです。

ある朝、ぶっ飛んでいる猫の写真に、「朝からとりみだしてすみません」というコメントがついていて、思わず声を立てて笑ってしまいました。何かに愕いて飛び退いたところらしく、鮮やかな跳躍の瞬間が捉えられていましたーでも、よく見たら、背景の季節が違う。晩秋に撮ったものらしい。途端に面白くなくなりました。

何故だろう?ここ数日、ずっとその理由を考えています。いま現在のドキュメントとして見ると、猫の真剣さと美技とが相まって、その滑稽さに共感を持ったのに、投稿者の作意が入っていると知ったら冷めてしまったー歴史文学の成否の秘訣がそこにあるような気がして、自分の心の中を手探りしているのです。