長野の友人から、塩尻の林道を散策した写メールが来ました。
[弟が定年退職後、ボランティアで果樹園の農作業をしています。果樹園は塩尻市内から車で10分ほどの、霧訪山(1305 m。塩尻市のHPでは「きりとうやま」。「きりどうざん」とも)の山麓にあります。そこへ行く途中、下西条の山ノ神自然園に立ち寄りました。小さな川沿いに車1台がかろうじて通れる幅の林道があり、奥に進むと、木漏れ日が差し込み、涼やかな空気が本当に心地よく、(今はあまり流行らない言葉ですが)森林浴に最適でした。小さい祠と鳥居があって、「雄床山神社」と書いてありました。祠の背後に巨石があり、鳥居近くの道沿いにもしめ縄を張り巡らした岩があります。]
いかにも信濃国の初夏の林道ですね。新緑の匂いも感じられそうです。久しぶりに『大日本地名辞書』を引いてみましたが、雄床山神社は出ていませんでした。しかし、巨石信仰の祠であることは想像がつきます。
学生時代、リュックを背負って3週間、北海道を旅行したことがあります。いろいろな思い出がありますが、率直に言って、飽きました。森と湖と山、そればかり。美しいけど何が足りないのか考えてみたら、私にとって日本的風景とは、それらの中に墓石や碑や、小さな祠が見え隠れして初めて、なつかしく思えるのだということに気がつきました。ひっそりと、しかし人の気配のある山野。それを求めて旅をするのだ、と。
追記:友人から追っかけてメールが来ました。[中西条に女の神様(湧き水がある)がおり、下西条は男の山神様で、鳥居の背後にある巨岩が本来の御神体。同じ下西条地区にある建国神社のしめ縄を2年ごとに新しくする際、古いしめ縄を雄床山神社鳥居横にある巨岩に付け替えている、と地元の方から教えられました。]