恩師の墓参

東京霊園へ、同窓の5人でお墓参りに出かけました。来年の3月25日が恩師の一七回忌なので、来年お参りに行こうと言ったら、もうみんな、思い立ったらその時にやっておくべき年齢だから、今年行こうよ、という話になったのです。最近は中央線に乗る機会がないので、立川と三鷹と高尾のどれがお茶の水に近いのか、特快はどこで追い抜くのかも分からず、快速に乗車しました。そのうち車内アナウンスが、特別快速にお乗りの方は云々と言ったので、慌てて駅名も見定めずに降りて、ホームの向かい側に来た列車に乗り換え、どうやら約束の時間通り高尾に到着。

駅前で連れと合流し、昭和天皇陵の裾を廻ってタクシーで霊園へ。運転手が北条氏の歴史や旧街道、産業戦士慰霊塔などを説明してくれました。4年前に3人で来た日は、4月というのに雪が降り、墓なんか来るな、ほかにやることがあるだろ、と先生に言われているのかも、と話したのですが、今日は汗ばむほどよく晴れて、一面に桜の花霞。しかし3人のうちの1人はすでに鬼籍に入り、この次来る時は何人になっているでしょうか。手分けして持参した線香と供花と煙草と、赤門前の扇屋の菓子をお供えしました。

その後、料亭うかい鳥山で食事をしました。とりとめのないお喋りをしながら、山菜や稚鮎をあしらった料理と青竹に入った冷酒を楽しみました。床には碧梧桐の短冊が掛けられ、庭には梅と桜と、菫と一輪草、片栗が同時に咲いています。水芭蕉園がありましたが、葉が茂りすぎて花は押しつぶされそうでした。

帰途、医科歯科大の前のバス停で、ぼんやり夜桜を眺めながら、今年の桜はこれで見納めかな、と思いました。若い頃にはそんなこと考えませんでしたが。