龍岡門から

マンション管理組合の総会に出ました。いつもと違って、会場は湯島地域活動センターだというので、早めに出かけ、近所の方と、一しきり今年の花見の話をしました。三春の滝桜がよかった、とのこと。今年は私も、神代桜がよかったと言えるので、盛り上がりました。

管理会社が派遣している管理員の休暇や残業手当を、管理委託費以外の枠でこちらに負担させようとするので、しばらくやり合いました。管理会社の雇用契約と管理組合との委託契約とを微妙に関連させて、論法のすり替えをするので、これが、上は一国の首相から下はマンション管理まで、最近共通のやり方だなと思いながら、1年ごとに見直しという条件つきの賛成に挙手しました。

昼前に終わったので、久しぶりに龍岡門から大学構内を通って帰ることにしました。学生時代に出入りした演劇部の部室の建物は、生協になっていました。サルトルなんか稽古したっけなあ、と思い出しながら、正門へ向かって歩きました。当時、我が家は夜9時門限だったので、徹夜稽古の途中で帰ろうとしたら、正門が閉まっていて出られず、門衛が塀の隙間を教えてくれて、ようやく脱出したこともありました。

古典的な煉瓦造りのままからプレハブまで、雑多な建物が新緑の中に同居しています。図書館前は楠がなくなり、白いコンクリ敷きになりましたが、田中後次の噴水は水を噴いていました。院生時代は、図書館以外は、全共闘スタイルの角材デモの広場の記憶しかありません。正門脇の藤棚に花が咲いているのを見るのも珍しく、一休みしました。

赤門前のボンアートで、昔ながらのハヤシライスを食べ、区長・区議選の投票をして帰りました。街は、選挙の日特有のざわめきに満ちていました。