淡紫の園

暖かくなって、ビオラの花が小さくなり、アブラムシとの戦いが始まりました。今年は郭公薊の越年に成功した(もともと多年草だが、日本では露地では越冬できない、と知ったので、室内に入れたのです。秋に挿し芽したら、3鉢分も茂ってしまいました)ので、我が家の軒先は、いま淡紫の花園となっています。ムスカリは終わりましたが、パンジー、匂菫、郭公薊、そしてビオラの植え替え用に買ってきたロベリア・・・

小学校の国語の教科書で、春先は黄色い花が多い、それは陽光を求める植物たちの知恵だ、という文章を読んだことがあります。なるほど戸外では、蒲公英や鬼田平子、酢漿草など黄色い草の花が路傍を彩っているのですが、私の好みのせいか(自覚はない)、我が家の春は紫系統の花が多い。

寄せ植えにした菫3種の葉の色が、一気に濃くなりました。もう、お浸しにして食べようかという気は起きません。夏草の色です。ここ数年、路傍から実を摘んで来て播いた結果、毎年、花はお義理程度に2.3輪咲き、葉だけ茂るのですが、葉の形が結構面白いので、小さな生け花の根締めに重宝します。

この季節、草地に糸のように細い茎をすっくと伸ばし、ごく小さな、淡紫の唇形の花穂をつける草が気になっています。名前が分かりません。ネット検索すると、マツバウンランか姫金魚草の野生化したものかが候補に挙がるのですが、どちらもいまいち腑に落ちない。初めて見たのは名古屋で、銀行の前に置かれたプランターに規則正しく生えているのを、親娘がせっせと採っているところを注意したら、野草だと思った、と言われたのが20年以上前のこと。爾来、あちこちで見かけるようになり、先日も抜き捨てられているのを拾ってきて、ポケットウィスキーの空瓶に活けました。