今夜の晩酌

必要があって、南北朝内乱に関連する論文を読みに出かけました。大学図書館脇の桂の木も、今年は青いままはらはら散っています。日本史関係、思想史関係のコーナーで、昼食抜き7時間ぶっ通しで、読み漁りました。

定年前後の数年は忙しくて、眼前にあるものを読むだけでやっとだったので、その頃出ていた雑誌特集や講座類を読み直し、ここ数年の学会動向の幹になっているものが、全体として掴めてきて、視野が開けました。

その一方で、未だ戦前のままかと思うような分野もありましたし、若くから一世を風靡した研究者が50代ですでに硬直し、リライトにリライトを重ねている姿も目の当たりにしました。若くて必死に紡いだ陶酔型の文章は、1度きりなら魅力もあったが、何度も何度も「つなぎ合わせ書き直し」されると、無残です。実証性に乏しい、歌いあげる文章は、2度書いてはいけません。

さて肝心のリサーチは、簡単には答えが出ません。しばらく考えます(最も理想的な答えはあるのですが、どうすればその環境をつくれるか、です)。照明のあかるい地下街で、総菜を買って帰りました。無花果と生ハムと玉葱のサラダ、アボガドと鶏肉のタルタルサラダ、海老チリ、わかさぎの唐揚げ、フライドポテト・・・若い売り子が商品を渡す時に、「ゆっくりお召し上がり下さいませ」と声をかけてくれました。呑み過ごさぬようにしなくては。