一夜明けて

現職の圧倒的勝利で終わった都知事選。しかし後味の悪さが残りました。法で取り締まられないからと言って、何でもやっていいというものではない。大人の分別(ああこれはすでに死語か)というものがあるだろう。選挙権・被選挙権は大人の特権なのに。

私が心配したのは無効票が圧倒的に増えて、民意が正しく反映されず、その結果、今後選挙制度そのものが意味を失っていくこと(私もよっぽど白票を投じようかと考えました)でしたが、これだけ大きな数の票はそれなりにノイズを振り落として、正気の沙汰になったようです。あまりに蒸し暑くて仕事にならないので、新聞報道の得票数と選挙公報とを見比べてみました。報道は開票率93%の時点、選挙公報はあんまりひどい頁は捨ててしまったので、厳密な数字ではありませんが、いわゆる泡沫候補の得票数を合計しても、大勢に影響はないようです。

振り返れば都知事には実務官僚が就任する時代が長く続き、それを破ったのが美濃部さんでした。学者の知事です。私は未だ学部生でしたが、同級生の中には選挙カーに乗り、銃撃を受けた人もいました。その後タレントが知名度を武器に当選するようになり、元太陽族作家が長く務めた頃は、都庁に勤める中高の同級生たちから、クラス会で愚痴を聞かされることもありました。長期政権は必ず堕落する。

次期はもう、交替して貰わねばなりません。実務のできる、議会と冷静に話し合える、そして識見のある人が出てきて欲しい。それにしても、第一野党のセンスのなさは救い難い。現職の対立候補に同性、同じ業界出身の候補を立て、私は若い人の味方です!と絶叫するー都の有権者は若者だけではないし、だいたい当人がもう若くないのに。アンチでしか主張できないリーダーなんて、張りぼてでしょう。リーダーは2番では駄目なんです。