豊後便り・呪文の薔薇篇

別府暮らしの友人から、薔薇の名前の特定は難しいのだ、というメールが来ました。

アブラカダブラ・その1

【バラの名は、一見しただけではまず特定できません。酷似した品種が多いからです。バラの品種はざっと1万種くらいあると言われていますが(本当に数えた人がいるのだろうか?)、実際のところは分かりません。

バラの花は、季節、環境、気候等諸々の事情で違う花を開きます。その典型的なものの一つに「アブラカダブラ」という、まじないの呪文を名前に付けられたものがあります。撮り溜めてきた写真を送ります。】

アブラカダブラ・その2

魔法の呪文を表現する無意味な語が「アブラカダブラ」ですが、なるほどこんなに違っては、この薔薇にその名がつけられたのも尤もではあります。

アブラカダブラ・その3

3枚とも撮影場所は花菜ガーデンとなっているので、ウェブで調べると平塚にある薔薇園。薔薇の歴史(品種開発)が分かるように植栽されているのだそう。紫陽花が土の酸性度によって色を変えることは知られているし、咲き始めから徐々に花の色が変化する植物はよくありますが、同じ品種でこんなに印象が異なるようでは、名前は意味が無いかも。

全国の薔薇園DBを作っているんじゃないかと疑われる彼にとって、思い出の薔薇を3つ挙げよ、と言ったらどうするでしょうか。我が家なら、亡くなった同年の従妹が私の還暦祝いに持ってきてくれた鉢の紅薔薇が第1、次いで初めて自分の小遣いで大晦日に買った赤い薔薇2輪(当時中学生だった私の小遣いではとんでもなく高価な、¥200だった)、でしょうか。3番目は学位取得祝いに知人たちが贈ってくれた、ココア色の新品種の花束かな。子供の頃、朝露を帯びたピンクの小さな蔓薔薇を登校途中に見るのが楽しみだったことも、思い出します。