起立性調節障害

NHKの昼番で「起立性調節障害」の解説をやっていました。へえ~今はそういう名がついているのか、と視聴してみて、何だか違うなあ、という気がしたので書いてみます。

中学の頃、春先に朝、めまいがしてどうしても起き上がれず、学校を休んだことが2,3度ありました。胸がむかむかして食事もできず、そのまま寝ていると午後には快くなってきて、翌日は何も症状はない。2年目にあった時はああ、あれだなと自分で思って半日寝て過ごしました。親も特に心配せず、医者にもかかりませんでした。べつに学校生活でストレスがあったわけではなく、当時は規則正しい生活(親の家に住んでいれば、当時の子供たちはみな規則正しく暮らさざるを得なかった)を送っていたので、すぐ忘れました。後日、思春期に心身のバランスが崩れるせいだと知りました。30代に入る頃、秋口に同じ症状が出たことがあって、いま思秋期なの、と周囲に話したりもしました。

生物的な成長につれて、変化する心身のバランスが一斉には揃わない短い時期があるのだろう、という想像は理解しやすく、自分も順調に年を重ねているんだ、という、ちょっと安堵する感じの納得だったのです。

しかし昼番の解説は、子供がそうなったらやさしく、やさしくいたわり、周囲は理解してやらねばならない、という論調で、些か違和感がありました。スマホ依存症や生活の規律も暗示していて、つまり病気や健康管理の問題なのだろうか。それとも今どきの御時世は、壊れ物を触るように子供をあつかえというのだろうか。

誰にでもあることなんだよ、気にしなくていいよ、という視線にまもられて乗り越えてきたことも、若い頃にはいっぱいあったのではないでしょうか。無視する思いやり、見て見ぬ振りする保護。大人の方がそういうスキルを失っているのかもしれません。