あんみつ

区役所へ用足しに行ったついでにスーパーへ、叔母の命日の御供物を注文しに行きました。戦後、女手一つで3人の子を育て、地元福岡市の母子家庭福祉にも尽力した人です。大家族を率いて威厳があったので、兄に当たる父は、「昭憲皇太后」と渾名していました。私も、子供にお金をやってはいけない、自分の小遣いの範囲内でと言うか、貸すから必ず返してと言う方が、子供のためになる、と教えられました。

生前、福岡空港へ見送りに来てくれた時は、みんなでロビーの不二屋でお茶を飲みましたが、決まってあんみつを注文し、心から嬉しそうな笑顔で匙を舐めていました。あんみつも、これほど人から喜ばれたら本望だろうなあ、と思ったものです。

去年は天神下の有名な蜜豆屋まで行って注文したのですが、ちょっとした行き違いがあって賞味期限ぎりぎりに届いたりしたので、今年は大手スーパーで缶詰を探しました。嫁さんの実家が和菓子屋なので、餡は福岡で調達して貰えばいい、と思ったのですが、意外なことに缶詰がない。かつては蜜豆の缶詰は御贈答用品の定番でしたが・・・店内をうろうろしたら、カップに入ったあんみつが山積みされていて、賞味期限を見たら3月下旬になっている。えっ、餡なのに大丈夫なの?と、店員に確かめましたが、大丈夫との返事。

子供の頃から、餡物は日持ちしないから早めに食べる、と教え込まれてきたのですが。食品保存の技術が進んだのでしょう。さまざまな分野で、年寄りの常識が覆される時代です。でもやっぱり心配で、宅配は冷蔵指定にしました。