箱根駅伝

朝からヘリコプターがうるさいと思ったら、皇居の上と大手町の上を飛び廻っていたのでした。大手町―湘南海岸ー箱根を駆け抜ける駅伝のルートは、我が家の歴史と重なります(親が20~40代を過ごした茅ヶ崎、その後30年勤めた大手町、国際会議やゴルフで通った箱根、そして墓のある富士)。私にも、烏帽子岩と海と富士山は、子供の頃見慣れた風景(尤も、戦時中に伐採され植林したばかりの松林は、未だ10cmくらいの苗で、見渡す限りの砂山)でしたし、昭和40年代からは、墓参のため年1度は箱根路を通りました。

大学関係者にとっては、箱根駅伝は大イベントです。私の在職中は、福岡の親族も応援してくれました(似た名前の大学と間違えたりしながら)。クールに見えた故大曽根章介さんも、毎年、二宮の沿道で中央大学を応援していました。

スポーツ界ではいろいろ批判もあるようですが、富士山に向かって国道1号線を駆け抜ける箱根駅伝は正月に相応しい。しかしこの駅伝のドラマは、勝ち組よりもむしろ、後方を走ってくる選手たちにあります。例えば今年は、鶴見で繰り上げスタート4秒前にたすきをつないだ連合チーム。ゴール直前の4,5,6位争いも見ものでした。着順は毎年下位なのに、必ず出場してくる上武大学もすごい。何年か前、すでに地元に就職が決まっている4年生が最終着でゴールし、もう人もいない背後へ向き直って、きっちりお辞儀をした姿はかっこいいと思いました。

運営管理車と称して監督の乗った車が選手にぴったりついて走るのは、禁止すべきだと思います。正月早々怒声なんか聞きたくない。高校生が五輪に出る時代、大学生だけが監督の伴走を必要とする理由はどこにあるのでしょうか。ポイントを決めて、関係者が必要な情報を伝えればいいでしょう。大人になったら、孤独に耐えられないと勝てません。あれではまるで予行演習も同然です。