文旦漬

高校時代の同級生から電話がかかってきて、庭の柚子がたくさん生ったから送る、とのこと。宅急便の冷蔵で届きました。小粒だけどレモンイェローの輝きが美しく、早速仏壇に上げました。「柑橘類のピール」のレシピが入っていました(最初、ビールと誤読して吃驚)。毎日ちょっとずつ食べると体にいいそうです。

大学院生時代、図書館の東洋文化資料室へ通った時期がありました。何かの注釈のためだったか、演習の調べ物だったか忘れましたが、漢籍の引得などが必要だったのです。紛争後の東大図書館は人影もなく、殊にこの部屋にはいつ行っても利用者は私しかいないことが多くて、年配の職員が1,2人いるだけでした。ある日、帰ろうとしたら、おばさん世代の職員(失礼。れっきとした国家公務員です)から、とつぜん「休日に作ってみたから」と夏蜜柑の文旦漬を2,3本勧められました。我が家は九州出身なので、ザボンの文旦漬はよく知っていたのですが、夏蜜柑で手作りできることは知りませんでした。試食の上、数本、お土産に持たせてくれたような記憶があります。

今はピールと呼ぶらしい。レシピを読むと結構砂糖を使うようなので、買いに行かなくてはと思いましたが、柚子の色があまりに綺麗で、近所に2,3個ずつお裾分けしたらなくなりました。