後楽園前の大手スーパーへ、正月の食材の買い出しに出かけました。近所にもスーパーが出来たので、黒豆や蒲鉾などはわざわざここで買わなくてもいい。ちょっと珍しい食材や例年ここで買う物だけを、と思って入ったのですが、ヒット率がぐんと下がったことを思い知らされました。
我が家の3が日の御馳走は、鯛のスモークだったのですが、なんと同じ値段で量が4分の1になっている。伊万里の皿に並べて、終日ちびちびと酒肴にするには最適だったのに!落胆。博多から連子鯛の干物が2枚来てはいるのですが、都市ガスで干物を焼くのは結構手間がかかって3が日には不向き。代わりに小鯛の笹漬を買うことにしました。
菊膾もない。例年、紫の菊を混ぜた膾で紅白の彩りを楽しんだのですが・・・日野菜漬も桜花の塩漬も入荷していないとのこと。コロナ以来、惣菜パックや、アジア系の食材などの配架が増え、代わりに日本の伝統的、ローカル色豊かな品は姿を消しつつあるようでした。ラディシュやミニアスパラのような前菜の皿を飾る野菜も出ていないし、慈姑(丸ごと焼いて塩を振ると美味しいのです)もありません。
レジに行くと、例年より5割増しの金額でした。政府統計では生鮮食品をカウントしていないので、物価高騰の生活実感からは遠い数字しか出ていません。あれ買ってみようかな、と、1つ2つ余計な買物をするのが生活者のささやかな楽しみでもあるのですが、いちいち、いややめとこ、とセーブせざるを得ない。消費が伸びないわけです。
本郷3丁目の角に鳶職が出している店で、注連飾りと裏白・譲葉を買って帰りました。肝心の鏡餅は、スーパーで買うと余計な作り物がついてくる。やむなく同じ大きさの丸餅を重ねて飾ることにしました。貧すれば鈍す、という新年になりませんように。