開花前

東京の桜開花予想は、19日、22日、24日と遅れて行っています。播磨坂へ、買物のついでに花見の下見に行きました。バスを降りて眺めると心なし並木の枝先が桜色にうるんでいるように思いましたが、樹下を歩いてみると蕾の輪郭はくっきりしているものの、当分開きそうにありません。ピンクの雪洞が掛け並べられ、仮設トイレも準備されています。桜まつりには賑わうことでしょう。鳩が2羽、向かい合って梢に止まり、1羽は羽づくろい、もう1羽はそれを見るともなく見ていて、根拠もなく夫婦だなと思いました。

並木道を往復すると、老木の幹から噴き出して1輪だけ、咲いている花がありました。年をとると気が焦る。

青空を背景に、白くなり始めた蕾を幾つか見つけた時、ふと、今年の花を観られる幸せ、という思いが胸に迫りました。余齢を数えるようになって、しかし進行中の仕事では、日々新見がもたらされるほどの交流もあるー充分な晩年ではないか。ゆっくり坂を登ると、道の脇には土佐ミズキやアズマイチゲが咲いていました。

野菜やパンを買いこんで、レジで今日もまた合計金額に目を剥き、荷物を背負って帰りました。風が寒い。開花は早くはならないだろうな、と思いながらバスを降りると、白木蓮が綻び始めていました。着実に春は近づいて来ているようです。

台所で買物の荷をほどきました。主婦にとってこれは楽しみの一つ。クレソンの勢いのよさが、嬉しい。葉も茎もしっかりしていて掌をはじき返してくるようです。株価も高水準のベアも無縁の年金生活者は一層の緊縮モード、いつもなら買ってみる山菜も小さな焼き菓子も買わなかったので、コチの薄造り1皿が本日の贅沢。ツレは熱燗かな。