宅急便

昨夜、ジブリのアニメ「魔女の宅急便」がTV放映され、ツイッターには#ができました。それを辿って、今どきのアニメの楽しみ方(トリビアルな知識を交換)を知ったのですが、私がかつて最も印象に残ったことを誰も言っていないようなので、書いてみます。

この映画を観たのは、鳥取に勤めて4年目、夏休みに入ったばかりの7月でした。外は30度越えの晴れた日曜日。日比谷でロードショーを観るような気分(鳥取にも封切館があった)で、窓口で切符を買う時に「座れますか」と訊きました。一瞬、間があって、座れます、という答えと共に団扇を1本渡されました。ん?と思いながら入ってみると、客は私のほかに2組いたでしょうか。暗いコンクリートの建物の中なので、冷房はかかっていませんでしたが、団扇でしのげました。

評判通り、女の子の元気が出る作品でした。当時、「魔法使いサリー」とか「ひみつのアッコちゃん」とか、魔法使いの少女を主人公にしたアニメが流行ったので、その流れだなと思い、ただ、一度は挫折しかかるところや個性の強い人物が複数出てくるところが、TV用ではなく映画作品だなと満足して帰りました。印象に残ったのはエンドロールで、親になった黒猫ジジが、空を飛ぶキキの傍で、2匹の我が子に紐をつけ、口に咥えながら箒に乗れる訓練をしていたことです。次世代が育っている映像を幕切れシーンに使うのは、当時のドキュメンタリー番組の定番でしたから、映画はエンドロールにもメッセージがあるんだ、と感心したのです。

食料に困っていないか、と長野の友人から宅急便が送られてきました。届けに来たヤマトのお兄さんに、「このところ(コロナ騒ぎで)流通業は大変なんだって?」と取材してみたのですが、引っ越しの季節なんで、との返事で拍子抜けしました。