砂漠

3週間近く続いた猛暑、我が家は風通し抜群なので、昼間は冷房を入れずにしのぎ、夕方買い物から帰って湯浴みをしたら、冷房のスイッチを入れるのですが、35度を超えると気息奄々。ともかく生存のみを目的に過ごそうと決めました。

ある朝メールチェックのついでに、猫の歩く動画を見つけました。背景がどうも日本ではない。HANAMOMOという名前で、UAEから発信しているブロガーの投稿でした。現地で結婚して、猫数十匹のほか、駱駝、犬、兎、鳩、ガゼルなど動物200匹と共に暮らし、こまめにネットに投稿している有名な人らしい。詳しい経歴は見ませんでしたが、家の周囲には広大な砂漠があり、毎朝動物たちを連れて散歩させているようです。

日本の狭い室内で飼われる猫とは違う、猫の歩き姿に見とれました。長い尻尾をぴんと立て、走ったり跳んだり砂浴びしたり・・・朝の砂丘の美しさにも見入りました。弊国のカヤツリグサや待宵草に似た植物が生えています。遠くまばらな林のある風景は、松林が回復する以前(戦争末期、松根油採取のため伐採された)の湘南海岸を思い出させましたし、風紋と小動物の足跡が刻印された砂丘から、鳥取を思い出しました。

かつてW.ディズニーが撮った「砂漠は生きている」という記録映画が、評判を呼びました。日本での封切りは1955年だったでしょうか。初めて見るカラー映像、中でも鮮やかなサボテンの花がゆっくり開いていく特殊な撮影は、衝撃的でした。砂漠にもそこを住まいとしている生き物たちがおり、そのときどきに、息を呑むような美しさがあるーそれがメッセージだったと思います。

昨日、早朝には秋虫の声、夕方には法師蝉の声を聞きました。どうやらこの夏を越えられそうです。