年末は民放もNHKも、回顧番組が多いので、夕食後、洗い物に立つのを延ばしてつい見続けてしまいます。音楽なら、かつて流行っているのを聞いていた曲について、自分のその時期とあれこれ照らし合わせながら、改めて感慨に耽ることになるのです。
連続ドラマは現役時代あまり視聴しなかった(できなかった)ので、人気ドラマのさわり場面を特集した番組を視て、そういう内容だったのか!と驚くものもありました。番組の一部しか見なかったのですが、「高校教師」や、エノキさんとその仲間たちに大人気だったらしい「逃げ恥」(「逃げるは恥だが役に立つ」)は、出だしの設定が突飛(漫画が原作である場合が増えたので、不自然な設定も跳び越えてしまう)なのを忘れれば、極めて現代的な問題に取り組んでいたのでした。
30日、NHKの「映像の世紀SP」は、「戦後日本の設計者 3人の宰相」と銘打って、吉田茂、岸信介、田中角栄を取り上げ、3者の関係についても触れていました。耳から聞いていた、当時の世相を言う語(例えば「逆コース」)がどういう背景で使われていたか、報道で目にした見出しや写真が実はどういう事件だったかも知らされましたし、それらへの親たちの関わり方、自分自身の関わり方(例えば安保改定)も振り返って、新たに理解した面もありました。歴史が確定していく過程の一部を経験している気がしました。
所得倍増を推進した池田勇人、沖縄返還を果たした佐藤栄作が総理になった経緯も語られました。最も印象に残ったのは、日本は敗戦国であり、そのツケが80年後の今、重圧となってきているのだということ、吉田も田中も、敗戦から起ち上がるために払う賭け金を一身に背負う覚悟をした政治家だったのだということでした。「戦後レジーム」を脱却すべきだったのは、寧ろ岸だったのでは、ということも。