カネの話

連日、報道からカネの話が流れてくる年の瀬です。それも愉快でない、愉快でない理由が多すぎる、という多重苦を伴って。

政党交付金が問題だ、とずっと思って来ました。政治資金規正法は、金権政治の芽を摘むのでなく培養する方向を向いている。その上に、貨幣を「じゃんじゃん刷ればいい」などと嘯く、破廉恥な風潮がまかり通ったこの10年。政治はカネがかかる、などと当たり前のように言わせておいてはいけないと思います。主権者がカネに苦労している間は。

清貧という語は今や死語になったのでしょうか。政治は志あってやるもの、志士は貧乏なもの、政治家は、少なくとも清貧を恥じない、清貧の士を敬う価値観を持っていなくてはと思うのですが。カネを集める能力を政治家の実力とはき違えているのは、彼ら自身だけでなく選挙民も、なのかもしれません。

以前にも書きましたが、我々が科研費を獲得すると、書類の表紙に「この資金は血税によるものであるから」云々という文言が印刷されています。中学の日本史で習った「血税」という語は今も死語ではなかったんだ、と初めて見た時に思いました。政党や議員に支給される公金にも、一々その注意書を付けて欲しいものです。領収書は1円から揃え、報告書には1000円から(1円からと言いたいが)きっちりと記載して欲しい。報告書が未だに紙ベースだと知った時は驚愕でした。デジタル相は何をしてる!全ての政治資金報告書をウェブ上に公開すべきでは。

政治資金規正法の改正が取り沙汰されていますが、不祥事を起こした当事者たちが法改正をするのはおかしい。こういう時は、第三者委員会のような組織がまず方針を出すのがまっとうでしょう。

一方ではバラマキ福祉の財源を、詐欺まがいの論法で誤魔化そうとしている。搾り取られる側は多重苦と言う所以です。