宮古島のメロン

宮古島から巨大な赤肉メロンが届きました。ビストロ「ロコまんじぇ」のシェフのお見立てです。宮古島では今がメロンの旬なのだそう。食べる2,3時間前に逆さにして冷蔵庫に入れると美味しくなる、という札が入っていました。彼は43年前に亡くなった親友の次男坊、50歳。子供の頃から食に興味を示し、仏蘭西料理を修業しました。

TBS系列局放映中の「フェルマーの料理」というドラマを視ていて(準主役の志尊淳を見たくて。漫画が原作らしく、話が飛躍しすぎるのが難点)、彼から聞いた料理人の世界を思い出しました。宮古島へ行く前には大阪で店を出したのですが、採算を無視していたので近隣との競争に敗れたらしい。この業界ではシェフが原価計算をするのだそうで、作りたい物を作っていればいいわけではないそうです。宮古島でホテルに雇われたが、まずは周辺にあるカレー店、バーベキュー場などに配属され、腕を試されて次第に抜擢され、ホテルの副料理長にまでなったが、人事管理や経営業務が増えたため、俺は料理人なんだから、と辞めて独立したのです。

料理人は30代が旬、いろいろ冒険してみたくなる年頃、と言っていました。今は恋女房が滞在型ホテルで働き、彼はそこの朝食デリバリーを引き受け、昼は自分の店を開けているのですが、この夏はヘルニアの手術(立ち仕事で重い鍋を持つから)をして4ヶ月休業し、不安だった、今は常連客も戻ってきてくれたけど、と言っていました。

彼のお父さんや私は、次第に軍事基地化する宮古島を心配して、本土へ帰って来るよう勧めるのですが、自衛隊の人たちはがっつり食べてくれるのでいいお客だという。自分はカウンター越しに客と会話のできるような店、食事を楽しめる店が理想なのだと。宮古島がいつまでも平和でありますように。

[追記]電話したら、ロコまんじぇは年内は29日まで営業(0980-79-5534)だそうです。メロンの食べ方を説明する時だけ、ぱっとプロの声になりました。