宮古島から

先週からみんみん蝉が鳴き出しました。この界隈では明らかに、年々数が減っています。家の建て替えやマンション建設が進んで土が掘り返され、樹木がなくなったからでしょう。その上、今年は梅雨が長くて夏空が見えません。未だ6月のような気分でいるところへ、宮古島からマンゴーが届きました。赤、橙、黄色のグラデーションが惚れ惚れするほど美しい。

贈り主のシェフに電話を掛けました。独立して小さな店を出してから2年、コロナの影響を尋ねると、宮古島では感染者は出ていないが、島内の隔離病床が3床しかなかったので、飲食店は閉めた所が多く、彼もGWから2ヶ月間、店を閉めたそうです。国と県からの休業補償があり、恋女房の勤めるヴィラハウスの朝食デリバリーも請け負っているので、生活はできたと言っていました。6月19日からは規制が緩み、島内の医療体制も以前よりは拡大して、客足が戻ってきたとのこと。彼の店も再開、ヴィラハウスも繁盛して、夫婦ともどもこの連休は忙しかったらしい。でも東京から真っ直ぐに来る客はいない、とのことでした。

ひとまず生活できているそうで、安心しました。なるほど観光業で生活を立てている方から言えば客に来て欲しいし、万一発症したらなどと考えなければ、離島の自然を満喫して過ごすバカンスは最高でしょう。定年退職記念に訪れて以来、すっかり宮古島贔屓になった友人の介護生活が終わったら、また誘おうと考えていたのですが、思いがけぬ疫病流行で叶わなくなりました。

蝉だけでなく私たちも、あてにしていた明日が来るかどうかは判らずに、でも明日明後日を予期して生きています。知られぬ未来だから、生きられるのかもしれません。