開花宣言

今年の東京の桜開花宣言は3月14日でした。靖国の標準木は年々老いてゆくのが目に見え、周囲の群衆が未だか未だかと凝視するのが気の毒だねえ、と近所の肉屋の女将と一緒に同情しました。旅先のホテルで朝のTVニュースを視ていたら、多摩にある森林総合研究所の技師が、染井吉野の開花がどんどん早くなるので、今後のために、花見の時季にちょうどいい品種を選んで育てているところだ、とインタビューに答えていました。

福岡は到着した日に開花宣言が出たらしく、市内は未だ咲かず、墓地の周辺に植えられた若木には咲いているのもありました。帰京したら東京はもう満開宣言。播磨坂、長泉寺、伝通院、南大塚と慌ただしく花を観て歩きました。播磨坂は9分咲き、しかし風が吹くときらきら光りながら花弁が散っていきます。去年はこの時期、抗コレステロール剤で急激に数値を下げたせいか体調が悪く、ここを歩きながら、来年は車椅子かなあ、と悲しかったことを思い出しました。

伝通院は枝垂桜と染井吉野が見事。小規模保育園が7人くらいの幼児を連れてやってきて、桜と一緒に記念撮影しようとするのですが、整列させると誰か1人が歩き出してNG。保母さんが何度も繰り返しているのが微笑ましい。小石川はいま高層マンション建設ブームらしく、こんなに建ててどうするんだ、と旧地元民は思うのですが・・・。

南大塚の並木はもう老木。この並木が植えられたのはケネディ暗殺の頃で、私は学部生でした。落花がみな自分に向かって散ってくるような錯覚に陥りました。

帰宅したら、水戸に住む教え子から写メールが来ていました。一人娘が今春は医学部受験でサクラチルとサクラサクの両方を体験、とりあえず一段落とのこと。

茨城県庁三の丸庁舎の桜

水戸の仙波湖の桜は見事です。早世した弟がとても気に入っていました。