阿波国便り・春のことぶれ篇

徳島の原水民樹さんから、先日の「梅干」に同意見だ、とのメールが来ました。何でもかんでも甘くする風潮には、甘党の自分でも賛成できない、とあります。戦時中の砂糖不足から日本人は、甘さ=美味、と勘違いするようになったという説があるそうですが、果たしてどうでしょうか。

年末には徳島も数年ぶりの大雪に見舞われたそうで、先代犬とは雪だるまを作ったが、もうその元気はない、と、膝まである雪の中に佇む愛犬さくらの写真と共に、さすが南国、春を告げる蕗の薹や菜の花畑の写真が添えられていました。

春を告げる蕗の薹

【菜の花は今は食用栽培で、蕾をつけた時点で収穫するので、花が見られるのは、収穫期を過ぎて摘み残された蕾が開く頃です。菜種油を採るために栽培していた昔は、それこそ畑全面が黄金色に輝いていたことでしよう。】

収穫を待つ菜の花畑

わあ、美味しそう!青虫になって片っ端から食べたい。店頭に出る菜の花は小さく折り畳まれ、萎れているので、買ってきたらまず水に浸けて生き返らせます。辛子和えや薄味の煮浸しも美味しいけど、何と言ってもバターで炒めてちょっと醤油を差して軽く焦がす、これが一番(我が家は最近バターをやめたので、胡麻油で炒めます)。

春に一面黄色く咲いている菜の花畑は、各地で菜が異なり、福岡ではよく見ると、茎や葉が紫色をしています。冬には漬物にするソウルフード、高菜の花なのです。かつては菜の花は採油用に栽培されていました。山村暮鳥に「いちめんのなのはな」を繰り返す詩がありますが、今は観光用に咲かせるのでしょうね。

【あと2ヶ月あまりで桜が咲くと思うと、なんとなく幸せな気持ちになります。さくらが、「私の季節だ」と言わんばかりに走り回ることでしょう(原水民樹)】。