阿波国便り・帰化植物篇

大雨を心配していた徳島から、原水民樹さんの写メールが来ました。

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紫蘇畑

【ほぼ2週間ぶりに日の光を見たので、散歩に出かけました。オリ・パラ高校野球と浮かれている間に恐れていた事態になり、徳島でも感染者がぐんと増えました。】

水害は無事だったようですが、流行初期に優等生だった徳島もコロナの禍中らしい。

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高砂百合

これは高砂百合というのですね。初めて見たのは、名古屋郊外のキャンパスに勤めていた30年前でしたが、近年我が家の周辺にも自生し、車窓からも全国に広がっているのが分かるようになりました。調べると台湾原産の帰化植物、大正頃に渡来、種子で増え、在来種を駆逐し、しかも連作を嫌うので数年経つと消えるが跡地に暫く百合が育たなくなる。拡散させないよう、政府が呼びかけているのだそうです。そう言えば東名高速の法面に、かつて夏は山百合が咲いたものですが、最近はこればかりです。

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待宵草

【子供時代、待宵草を摘んで帰り、「家に置くと火事になると言われている花だから捨ててきなさい」と母にいわれ、「水につけておくから火が出ても大丈夫」と答えたことがありました。(原水民樹)】

これは懐かしい花です。子供の頃住んでいた湘南海岸では、夕方になると砂丘一面にこの花(みんな月見草と呼んでいましたが、後年、正しくはオオマツヨイグサという帰化植物と知りました。本物の月見草は白い花だそうです)が咲き出し、月見草が咲く前に帰って来いと言われていました。火事を呼ぶという俗信は初めて知りました。

湘南は海の傍だから帰化植物が多いのだと思っていましたが、今や全国どこでも「国際化」したようです。