今年度の松尾金藏記念奨学基金の採択が決まりました。本基金最後の採択です。以下は採択された奨学生の研究題目、( )内は大学と専攻名です。なお1年ごとに業績と研究計画について、継続審査があります。
博士課程:
1 古筆切を中心とする資料調査と文献学的研究(総合研究大学院大学・日本文学研究)
2 アメリカ南部文学における障害の美的政治性についての考察(一橋大学・文学)
3 秦漢地方行政の変容と継承(明治大学・史学)
修士課程:
1 夾纈羅几褥の文化的性質について(岡山大学・人間社会文化)
2 沖縄における龕と龕祭祀の分布および実態に関する民俗学的研究(沖縄国際大学・南島文化)
3 九州における中世須恵器の研究(鹿児島大学・人間環境文化論)
4 戦国期島津氏権力の形成・展開過程と幕府・公家・寺社権門(福岡大学・史学)
5 ドミトリー・ショスタコーヴィチと反ユダヤ主義の関係性(琉球大学・地域共創)
6 同性愛者と居住地との関係性について(千葉大学・人文科学)
7 日本中世の流刑・流刑の歴史・法と刑罰からみた国家(東海大学・史学)
8 土と灰の時間制をめぐる写真論 デリダの土葬/火葬と写真文学(東京大学・言語情報科学)
9 16世紀アルプス南北におけるペトラルカ的伝統と絵画の関連性(東京芸術大学・芸術学)
10 16世紀サファーヴィー朝の支配体制における教団組織の影響の解明(明治大学・史学)
終了時には論集『明日へ翔ぶー人文社会学の新視点』(風間書房)に執筆することができます。目下第6巻の編集が進んでおり、来年3月に刊行予定です。また奨学生による任意団体「明翔会」があり、研究報告会などを開催しています。