9月9日・10日に開かれる研究報告会では、オンライン、会場(国際善隣会館)参加ともに会員外の参加や質疑応答を歓迎しています。報告要旨は6月20日付本ブログやhttps://meisyokai.wixsite.com/2013に掲載。お問い合わせはmeisyokai@gmail.comまで(未だ申し込み可)。報告者が期待する質問・意見について訊いてみました。
9月9日(土)13:00~15:00
1 重村つき 天平宝字年間における柵戸と流刑
・日本古代中世の流刑の研究です。一般的な「流刑」のイメージを伺いたい。報告者が持つ、古代の流刑の理解との差を明確にしたい。
2 藤立紘輝 中世太宰府天満宮の祭礼と政治権力
・中世後期(南北朝~戦国期)の大宰府天満宮の祭礼を扱います。歴史学以外の分野の意見を聞きたい。宗教や民俗学などの隣接諸分野からの意見がもらえたら嬉しい。
3 長嶺勝磨 近代における光明皇后の表象
・特に古墳~奈良時代を素材にした近代美術作品を対象としています。報告は、近代に慈愛の象徴として位置づけられた光明皇后を素材とした図像の分析。
○(mamedlitから)絵画から意味を読み取る作業は、方法論が未だ定まっていない。報告者の読み取りとは別の視角が可能かどうか、議論できれば。
9月10日(日) 10:00~12:15
4 岡部柊太 黒龍会のアジア認識と文明観:雑誌『黒龍』を中心に
・歴史教科書でも扱われることが少ない内容であるので、会場の皆さんの「アジア」のイメージを知りたい。「アジア」の中で共通する文化、価値観は存在するだろうか。
5 木内涼 19世紀後半のオペラ=コミックにおける「よく知られた歌」の引用
:その伝統と音楽劇的役割
・オペラコミック(喜劇を起源)というジャンルについて、基本的な質問も OKです。歴史学や社会学などの他の学問分野の分析手法についても知りたい。
6 𠮷原将大 漢字熟語の認知プロセスの性質:逆さ文字を用いた心理実験による検討
・上下左右反転された漢字 2 字熟語がどう認識されるかに関する報告。研究手法や専門用語への質問OK。子育て世代から子供の読み書き取得過程について話を聞いてみたい。
7 谷綺音 屋久島を事例とした自然の表象に関する報告
・屋久島をフィールドとした人文地理学×博物館学による報告。定量的分析、定性的分析など研究の手法について、フロアからの話を伺ってみたい。
13:00~15:00 記念講演(講師紹介)
鄒聖傑(すう せいけつ) 厦門大学嘉庚学院日本語言語文化学部専任講師。2019年中央大学大学院文学研究科教育学専攻単位取得満期退学。論文「中国における初期国際理解教育の理論形成―ユネスコ教育理念の受容を中心に」(『国際理解教育と多文化教育のまなざしー多様性と社会正義/公正の教育にむけて』明石書店 2023)ほか。
会田大輔(あいだ だいすけ) 明治大学非常勤講師。1981年生。明治大学大学院文学研究科博士課程修了。博士(史学)。単行本『南北朝時代―五胡十六国から隋の統一までー』(中公新書 2021)。論文「北斉における蕭荘政権人士―「袁月璣墓誌」を中心にー」(『明日へ翔ぶー人文社会学の新視点― 1』(風間書房 2008)ほか。