コロナの街・ part 29

北区の一里塚の近くで開業している、従妹のクリニックへ行きました。コロナ以来、完全予約制にしたとかで、メールで問い合わせたら、10分刻みで空き時間を知らされ、叔父の三回忌の供物を持って、待つ覚悟で早めに出かけました。都営地下鉄の券売機の脇には、○時××分消毒との掲示が出ています。

ほぼ2年ぶりなので、地下鉄から上がったら、新しい店ができ、逆に植え込みが荒れてしまった家もありました。街路樹の剪定中でしたが、一里塚の榎は刈り込みの時期が違うのか、あたりが暗くなるほど堂々と茂っています。つばさ工房という小さな看板が目に止まりました。ジャムを売っています。雰囲気からして地域ケアと関係がありそう。てんさい糖だけで作ったジャムがウリらしい。花梨シロップと青いレモンのママレードとを買ってみました。障害者の家族会でやっているB型NPO法人だということでした。

夕方しか開業していないので、いつも混んでいるクリニックです。スリッパは箱に入れて扉を閉めると自動的に殺菌されるようになっていました。従妹はゴーグルをかけ、透明シートを隔てて診察をしていました。アレルギーの薬を貰い、毎年の区の健診結果の数値を総合的に説明して貰うのが用事です。血が濃いと言われました(ほかは年齢相応らしい)。何だか幕末の志士にでもなったような気分。水分をたっぷり摂るようにとのこと。彼女は老人施設のケアにも行っているので、この2年間1度も外食をしていない、伝書鳩のように自宅と仕事先とを往復しているという。ストレス解消はどうしているのかと訊いたら、患者さんと話しながら仕事をするのが解消法ねえ、との返事でした。

とっぷり暮れた本郷通りを帰ってきたら、閉めたと聞いた第一書房では未だ本を売っていました。でも店内は荒縄で括った本が山積、片付けの真最中のようでした。