花を貰う

我が家への角を曲がる所に、3階建ての小さなビルがあり、検針器の下の空間には椿や下野、鉄線、斑入りの菅などが植え込まれ、軒先には季節ごとにプランターを出して、山野草が咲かせてあります。河原撫子、桔梗、蛍袋、立浪草・・・見事なのは春先に咲く紅白の華鬘草。一時は1mもある藤袴が茂って、芳香を放っていました。山野草マニアの川越の友人にその話をしたら、純白の下野とか、3色の立浪草を咲かせるのはよほどのツウなんだそうで、そう言えば、書道教室の小さな看板が出ています。

先週、「アマドコロの根 差し上げます すぐ植えてください」というボール紙を立てて、何やら根茎が出してありました。私が鳴子百合だと思って見ていたのは、アマドコロだったらしい。欲しかったのですが、栽培法を調べている内に無くなりました。翌日は菫の苗が出してありましたが、これもすぐ無くなりました。

昨日はバケツ一杯に白い小菊の切り花が入れてあって、「ご自由にお持ちください 長持ちします」と書いてあり、買い物帰りに1つかみ貰って来ました。葉が小さく、銀灰色の枝と白い花が目立ちますが、倒れたまま起こさなかったらしく、大きく弓なりに曲がっています。真っ直ぐ挿そうとすれば10cmくらいに剪らなければならない。それではつまらないので、大きな水差しになだれるように活け、低い位置から見ることにしました。草全体から芳香が立ちます。花屋の菊はあまり香らないので、これほどの香りは久しぶりでした(苦心して検索したら、アシズリノジギクという品種のようです)。

我が家の小菊は、小豆色の品種から咲き始めています。これはあの家のお婆さんが手入れしているところに申し出て、貰ってきた小枝を挿し木したもの。黄菊が咲き始めたら、お返しに持って行くことにします。