川越便り・片栗篇

川越の友人からは、次々に咲き出した山野草の写真が送られてきました。

f:id:mamedlit:20210325115604j:plain

片栗の花

最初に咲いた1輪は、早くも虫に食われたとのこと。横浜の青葉台に住んでいた頃、スーパーの野菜売り場に片栗の束が出たことがありました。萎れてはいるが花も葉も一緒です。試しに買って、酢味噌和えで食しました。茹でるとほんのちょっとになってしまいます。少し元気のある花を2,3本抜いてコップに挿してみましたが、却って哀れなので、スープの浮実にしました。

f:id:mamedlit:20210325120351j:plain

韓国原産黄花節分草

【黄花節分草は韓国原産、日本産の節分草とは違う植物で、全然違う印象ですね。】

蘭の仲間でしょうか、単子葉です。私は初めて見ました。

f:id:mamedlit:20210325120625j:plain

ショウジョウバカマ

名古屋で1DKのアパートに住んでいた頃、近くに桃巌寺という寺があり、大仏の背中が窓から見えました。花柳界や芸能にゆかりのある寺だそうで、手水鉢には花が浮かべてあったり、敷石の間に紅色の猩々袴が咲いていたりしました。かつては平曲演奏も行われていたことを、後になって知りました。

川越の友人は山野草が趣味で、珍しい苗を買い集めては植え込んでいるらしい。私は高山植物山野草の区別もつかなかったのですが、彼の自慢につきあっているうちに知識が増えました。我が家は、挿し木や実生で育てたものばかりなのが自慢。近所に抜いて捨ててあった紫蘭を拾ってきて植え、10年ちかく経っても大きな葉が出るだけ。雌雄異株なのかなあと調べたり、もう捨てようかと思ったりしていたら、今年は蕾が出ました!こういう時が嬉しいのです。去年路傍で種子を採取した花華鬘の芽も出ました。今は実生の石榴の赫い芽が美しい。友人が石榴なんかどこの家にもあるよ、と言ったので、山野草なんて買って来たもんでしょ、うちは種子1粒から育てたんだから、と喧嘩になりました。