コロナの街・part18

父の命日が近いので、取り寄せのフリージアが手に入るかどうか、花屋に確かめに行きました。紫は手に入ったが白は葉なしの90cmで、釣り合いが取れないがいいか、と言う。単位は20本とのことで、合計40本です。それでいい、明日取りに来るからと約束して、後楽園前まで出かけました。地下鉄に乗るのは年末以来です。

毎日遠出せず、変わりばえのない食材で、健診結果を気にしながら暮らしていると気が滅入ります。人間が小さくなる。いつもとは違う食品を探す目的です。年末に来た時とは、スーパーの棚の配列や客層に変化がありました。若いカップルがうろうろ(品定め自体が楽しみなようで、邪魔)、やや場違いな老人や中年男性もいて、何やかや手に取って見てはまた棚に戻しています(このチェーン店は値が高めです)。

調理済みの惣菜の棚が大幅に増え、地方特産品などは姿を消しました。このチェーン店の惣菜はヘルシー志向なのか、色味がどうにも美味しくなさそうで、しかもどれにも必ず人参が入っている。これまではあまり買う気になれませんでしたが、今日は様子が違います。変えれば変えられるんだ、と思いながら、オクラの胡麻和えと人参ラペを買いました(人参は人参として調理すべき)。いつもならちょっと洒落た野菜や珍しい果物があるのですが、それらは殆ど駆逐され、カレーライスの材料や菓子作り用品が増えています。

健診結果に合わせた食生活をと、炒め物より煮物、酒肴よりも白粥のおかずに向く食材を買い込みました。最後に酒類の売り場で、各地の珍しい麦酒が並んでいるのを発見、しまったと思いましたが後の祭。重すぎてここで麦酒は買えません。杖を突いているので、片手で持てる量に限界があるのです。帰宅して測ったら5kg。高校時代、毎日提げて歩いた学生鞄は教科書と辞書だけで4kgはあったなあ、と回想しました。