人材育成

内閣が改造されました。近年、何をするのかよく分からない(と見える)職名が増え、大臣政務官首相補佐官はその最たるものです。なぜ副大臣政務官の両方が必要なのか、首相補佐官と秘書官とはどう違うのか、素人の我々にはよく分かりません。

新内閣では女性大臣が5人いるのに、合計54人の副大臣政務官には女性が1人もいないことが批判の対象になっていますが、どうも的が外れているような気がしてなりません。殊に大手紙のインタビューで、女性の労働学者が、現首相には「政策決定の場に女性はいらないという意識」があり、「育成の観点も欠けている」と語っているのに引っかかりました。

そもそも今回の組閣とそれに伴う人事は、総理が自らの再選、権力の長期保持を第一目標に、党内バランスを測りながら行ったことが一目瞭然です。女性閣僚は、女性票(議員・党員・国民の)を確保することを第一義として、その上で「相応しい」人選が行われたのでしょう。有力な男性への牽制にも使われています。男性の人事もまた、党内・政界の力関係を睨んだ上で当面の政治課題に相応する人選が行われたと見受けられます。

ならばこの際、女性政治家を育てよなどと甘えたことを言っている場合ではない。女性大臣は、「助ける」任務を負った副大臣政務官を、使いこなす手腕を発揮、もしくは修練して欲しい。それでこそ男女平等でしょう。男性の副大臣政務官は、女性大臣に「お仕え」する練習を積んで、「育って」行って欲しい(一流の人物はトップにも立て、ナンバー2にもなれるものです。得てして男は、女性の下ではナンバー2になりきれない)。そして女性大臣の下に女性政務官を置いても騒がれないようになってこそ、男女共生社会がほんとうに実現できる。数が問題ではないはずです。違いますか。