コロナ後の街

暑さで買い物に出るのも億劫、火を使う料理も億劫、店頭の野菜は貧弱になった・・・というわけで食生活が単調になり、これではいけないと、日が傾くのを待って播磨坂のスーパーへ出かけました。バスに乗るにはマスクが必要、しかし湿気が高く蒸し暑い。バスが来るまで、マスクを片手で引っ張って口元に空間を作りながら待ちました。

商品補給の店員と子供連れの客とがぶつかり合う時間帯、野菜とパンを目的に脇目を振らず売り場を歩きました。時間がないせいもありますが、珍しい商品を試しに買ってみよう、という財布の余裕が無くなったのです。

ここでも葉物は貧弱、とりあえずトレビスや空心菜(佐賀から来ていました)、白いマッシュルームなどを買いました。果物は見事だが高い。赤紫色のプラムに手を伸ばしたのですが、ふと見ると無花果が数年前の価格で出ていたので、そちらにしました。名古屋にいた頃、三河安城産をよく買ったものでしたが、ここ数年、無花果は何故か高級果物の仲間入りをしました。かつては家の裏庭に生っていた果実、熟れ次第採って食べるものだったので、1個¥200では手が出ません。この暑さゆえ刺身類は不安、コハダの昆布締めと鱧の天麩羅を買いました。九州牛の切り落としと御殿場のウィンナソーセージ、由比ヶ浜のちりめん山椒を買って、数日分の口福が確保できたので、パンを最後に引き揚げることにしました。

青空に、まるで描いた龍のような白い雲がうねっています。午前中は入道雲だったのに、気温は未だ高くても初秋の気配を感じました。バスを降りると、ママチャリがスピードを上げる時刻になっていて、怖い。マスクをむしり取り、百日紅がこぼれる坂を下りました。日が少しずつ短くなってきたので、暑さももう終わりが近いーと考えたい。