果物尽し

「桃栗3年柿8年」という諺には未だ続きがありまして、と切り出した総理が年頭挨拶で、「柚子は9年ですから私は9年間の使命を全うします」、さらに果物尽しを続けた後「林檎ニコニコ25年」と結んだ、と報道されました。ん?柚子は大馬鹿11年じゃなかったっけ、林檎25年は初耳。そこで長野の友人に、産地では25年と言うのか?と問い合わせを出しました。

ネットで調べると、吉海 直人さんが同志社女子大学のサイトに、『「桃栗三年柿八年」の続き』と題するコラムを書いている、と教えられました。それによれば、「桃栗3年柿8年、梅は酸い酸い13年、梨はゆるゆる15年、柚子の大馬鹿18年、蜜柑のまぬけは20年」、また柚子に続けて「林檎にこにこ25年、銀杏のきちがい30年、女房の不作は60年、亭主の不作はこれまた一生」というバージョンがあるそうです。「梅」に代わって「枇杷は早くて13年」というのもあるし、蜜柑に代わって「胡桃の大馬鹿20年」というのもあり、かなり入れ替え自在なようです。また「林檎にこにこ25年」は長すぎると思われたのか10年短縮して「林檎にこにこ15年」とも言うらしい。
地元ではどうなのか?友人の義弟の実家は林檎農家なのですが、聞いたことがないとのこと。梅以下は単なる語呂合わせで、実態ではなさそうです。我が家では祖母がよくこの諺を口にしましたが、3年待てばたいていのことは実る(成果が出る)、柿はちょっと永くて8年かかるけど、というような意味で使っていたと記憶しています。

ネット上では梅の産地和歌山出身の政治家と、梨の産地出身者とを暗に指しているという、うがった解釈も流れているようです。そう言えば柚子は、山口の青年商工会議所が名産品に育てたのでした。広島、秋田、神奈川の果物って何だっけ?