フリージア

父の命日が近くなったので、花屋に白と紫のフリージアの取り寄せを頼みました。彼の好きな花だったのです。葬儀の時、祭壇用に特注したところ、白と紫、それに差し色の紅がとてもよかったので、毎年探して供えることにしています。ところが近年、花屋に出る花はどんどん季節が早くなって、3月にはもう時季遅れだと言われるようになり、おまけに近所の老舗の花屋が代替わりして、自然の花を知らない(商品としての花しか知らない)息子が後を継ぎ、何かと不自由になりました。10月に叔父が百歳を迎えたので、お祝いの花を誂えたのですが、俳句をやる人だから季節の和花を、と言ったところ、それじゃ紫陽花(ちょうど店に売れ残っていた)、と言われて絶句しました。

去年は八丈島へ電話をかけたら、予約注文は1月1日からで、即日完売、と言われて、これまた絶句。露地栽培ではこれからがシーズンのはずですが、商品としてはもう遅いのらしい。やむなく、すこし遠い大通りの花屋まで行って訊いてみたら、20本単位の注文なら、と言うので取り寄せて貰いました。40本ですから結構な出費です。未だ蕾が固いので、マーガレットやスイトピーなど白と紫の花を買い足し、我が家では2つの大瓶に活け、3分の1は明日、従妹の三回忌に持って行くことにしました。

調べると、フリージア南アフリカ原産なんですね。意外でした。日本では早春の花なのに。オランダで品種改良された、と知って納得。名前の由来は、発見者がドイツ人の医師に捧げた故だそうです。父の青春時代には、ハイカラな花だったかもしれません。