建国記念日

アナウンサーが「記憶力が衰えていて、訴追を維持できないと判断した」と読むのを耳にして、てっきり弊国の文科相のことだと思ったら、違いました。米国の現大統領のことだそうで、ほぼ同い年の私はショック。しかし弊国の文科相の方は10歳も若いのですから、もの忘れは高齢のためではなく、別の理由でしょうね。

それにしてもかつての職場の監督官庁だった文科省のトップが、国会答弁や記者会見で繰り返す言辞や表情を、報道画面で見せられるのが苦痛です。逃げ切ればいい、と思っているのでしょうか。経歴を見るとあちこちの大学から招聘されたことがあるようで、それゆえ文科相の「適材適所」と判断されたのか。高等教育や研究をも小馬鹿にされているような気がします。政治の劣化は眼を覆うものがある。

彼国の場合は、大統領選の前の政争を避けるため、特別検査官の苦肉の判断なのか。しかし候補者として一定の痛手を受けることも確実です。選挙の結果がどうあれ、今後、殆どの国々は複数の大国のエゴイズムに翻弄されながら我が道を探って行かざるを得ないでしょう。ウクライナパレスチナも、結局は複数の大国の思惑に運命を左右され続けるのだと見せつけられました。ならば広く、遠く見渡しの利く政治家を表に立てておかなければ、我々の将来はありません。

既存の政権を「交代」することを追うのでなく、現在の世界の中での祖国の位置をどう考えるのか、どんな国にしたいのかをまず語れ。何が政治家としての緊急課題だと考えているのかを具体的に示せ。そうでなければ選びようがない。大国のエゴに揉まれても見失わない祖国のありようを保持し、描き出せる政治家が必要です。

終日、靖国の上を飛び回るヘリの騒音を聞きながら、考えたことでした。