五島ジン

朝、郵便小包が来ました。五島列島醸造所からです。別府で悠々自適の友人から、愛妻旅行で五島へ行った際に気に入ったので送った、という葉書が来ていました。特産の椿の実を利用して作ったジン、レアものらしい。17種の植物と島の水に拘って作ったという説明がついています。段ボールを開いたら、白と濃赤色でデザインした紙筒が出てきて、意表を衝かれました。椿のロゴマークがある。これはなるほど、若い人にも受けそうです。筒に収まった瓶も、大きな香水瓶のようなすっきりしたデザインでした。

じつは数年前、同窓の数人で恩師の墓参りの帰りに懇談した時、私が柚子の皮でピールを作った話をしたら、三角美冬さん(本物の酒豪です)が、わあ、美味しそう、それをつまみにジンなんかいいわね、と言ったので、(さすがセンス抜群)恐れ入ったことがありました。別府の友人は、日頃、俺は酒は呑めないと公言しているのですが、ジンを愛飲するくらいなら、戦略的下戸でしょうね。

ジンはアルコール度47、弊国で言えば焼酎のように肉体に自信のある人が呑むもの、というのが私の思い込みで、実際に呑んだ経験は少なく、文学作品の一場面で名前を覚えただけです。ギムレットマティーニトムコリンズ・・・どれも男が干す酒。針葉樹の香りが北欧を思わせます。しかし調べてみると、11世紀イタリアの修道院が発祥地、ペストの特効薬だったものが17世紀オランダ、そして英国へ渡って改良され、チャーチルも愛飲したのだとか。2010年代、クラフトジンが流行し、日本の醸造元でも試作していて、今や輸出国なのだそう。鳥取にもあるらしい。蒙を啓かれました。

しかしすっかり弱くなった私、数年前にウィスキーもブランデーも卒業しました。どうやったら呑めるか。まずは、似合う肴を研究するところから始めることにします。