白飯に塩

昨夜、夕食後うつらうつらしながら、「秘密の県民ショー極」(NTV)というバラエティ番組を視ていたら、大阪人は洋食屋で出される平皿盛りの白飯に、何故か卓上の塩を振って食べる習慣がある、という話題を取り上げていました。

そう言えば、若い頃、一緒に食事をした時、ごく自然にそういう動作をした人があって、へえ~と思ったことがありました。いつのことだったか、誰だったか、全く思い出せないのですが、人の出入りの少ない家庭で育った私は、その動作がひどく世間慣れした、大人の仕草に見えた記憶があります。

番組の調査では、同じ白飯でも茶碗に盛られていれば塩は振らないのだそうで、平皿に盛られた、つまり和洋折衷「洋食屋」の、御飯ではない「ライス」に限って塩を振るというのです。大阪なら当たり前、東京では見かけないと言っていましたが、東京はもともと各地からやってきた人たちでできた街、広く探せばそういう習慣の人もいるのでは。

この番組で感心するのは、各県民たちのこだわりの強さが良質のユーモアになるところ、そして出演者たち(必ずしもお笑い芸人ばかりではない)が、熱くなったりとぼけたり、それぞれ打ち出す話芸です。笑っている内に郷土愛が伝染する。

以前、福岡県民は何にでも醤油をかけたがる、という話題が出て、父方の年寄りたちの嗜好かと思っていた(料理する者から言えば張り合いがない)のに、地域性なのだと知り、ダサいと見下していたのを反省しました。

しかし、かつて私が目撃した例はかるくライスの頂上に振っただけでしたが、番組の映像では(TV撮影を意識してか)、全面にどっさり振っていて、あれじゃ塩むすびのおにぎらず。大阪人は寿命が短くなりそうです。