兜の緒

補欠選挙3つに勝利、と燥いでいる第一野党。爽やかな季節に、見たくないものを見せられている気がします。前にも書きましたが、「政権交代」は当分禁句にした方がよい。何故ならそれがゴールのように聞こえる、少なくとも当人たちがそう思っているふしがあるように見えるからです。与党が駄目だと見せつければ自分たちに政権が転がり込んでくる、という期待で行動しているように思えてしょうがないのです。

しかし我々国民にとっては、その先こそが問題なので、誰が総理になろうがまっとうに務めてくれさえすればいいのです。今は与党だけでなく野党も、何を目指しているのかがはっきりしない。あるいははっきりさせようとしない。与野党、おんなじじゃないか。中味のない、あるいは中味を見せない政治言語が、日々行き交っています。

勝って兜の緒を、という警句がありますが、今こそその言を拳々服膺すべき時です。慢心や油断をするなという意味でなく、これからの正念場に覚悟がありますか、と問いたい。万一野党政権が出来て、この前のような失敗を繰り返したら、日本の民主制度が終わってしまいはしないかという危機感を抱くのは、私だけでしょうか。与党になったのに辺り憚らず野党根性を剥き出しにして大騒ぎし、使いこなすべき官僚を仮想敵にし、寄合所帯のごたごたで自ら崩壊していった前回の経験を教訓として、この間身につけてきたか。

第一野党は今からでも政策論議を始めるべきです、選挙協力の交渉でなく。兜の緒を締め直し、安保は、財政は、社会保障は、どうする所存なのかを語れ。

それにしても我等が知事の政治センスのなさよ。人を人とも思わぬ候補者を全力応援したり、幻灯に¥9億かけたり(¥9億あれば400人の人材を育てられる!)・・・ゴジラでなくとも暴れたくなります。