信濃便り・クラス会篇

長野の友人から写メールが来ました。

秋の卓上に

【地元の国民宿舎で開かれた中学の同級会に出席しました。参加者は15名。宴席には手製の煮物や漬物を持参する、地方ならではの光景でしたが、自宅で育てた千日紅の花をドライフラワーにして、参加者の人数分、瓶に詰めて持って来てくれた人がいました。みんな大喜びで、大事に抱えて帰りました。可愛らしい花の玉手箱、稲穂も見えます。「今年は大根がたくさん採れそうだから、近いうちに玄関先に置いておくよ」と言われました。異常気象と言われながらも、信濃は実りの秋です。】

素敵な同級生、素敵な手土産ですね。私もかつて、自作の薔薇のポプリを空瓶に詰めて、久しぶりに会う高校の同級生へ手土産にしたことがあります。一目見るや、あっ、詰め替えよう、と言われました。でも喜んでは呉れたようだったので、忘れることにしました。

金木犀

東京では今年、木犀が貧弱な花しかつけていないようですが、写真は庭前の木犀だとのこと。前回の東京五輪の際、おもてなしのために街のそこここに植え込まれた木犀も、寿命が来たのか、汚職騒ぎに恥じたのか、年々香りが少なくなり、今年などは近隣が使う芳香剤に紛れて、秋の朝、窓を開けた時の至福の一瞬が味わいにくくなりました。春の桜、秋の木犀が東京住まいの悦びだったのですが。

しかし、ちぐはぐながらも秋は駆け足で上空を通過中です。我が家でもコキアの枝先が鮮やかな紅色になり、何を足せばクリスマスリースが作れるか、今から思案しています。観賞用パプリカの実の発色は、去年は黄色から始まりましたが今年はまず紫色から。千日紅は花屋が矮性仕立てにしていたらしく、我が家の日照のおかげでようやく花茎を伸ばし、いま満開です。10月もすでに下旬、夕暮の風の中には、ふと木枯らしの気配。