信濃便り・山葡萄篇

長野の友人から写メールが来ました。彼女は3人姉弟ですが、盆休にはそれぞれの子供、孫(+ペットの兎)が日本各地から里帰りして来て、賑やかだったらしい。先祖代々(戦国時代の軍師の家柄です)の墓は近くにあるらしいのですが、姉弟揃って迎えに行き、16日には、手作りのおやきを持たせて送ったそうです。

山葡萄

塩尻の弟さんの庭では、山葡萄を挿し木して増やしているが、実が色づいてきたので写真を送る、とありました。生でも食べられるが、ワインにすると風味が格別なのだそうです。大粒がぎっしり詰まって房というより角柱に見える栽培品種とは違って、何だか懐かしいですね。野生の果実には幼年時代の渇望が併せて記憶されていますが、中でも葡萄のような蔓性の果実には浪漫を感じます。古くからデザインされ、さまざまな意匠に用いられてきたからでしょうか。山葡萄と月と栗鼠の蒔絵をどこかで観たような気がするし、峠越えで、色づいた蔦に交じる野葡萄を見つける話を読んだことがあったような。

家屋を囲んで玉蜀黍やピーマン、茄子や糸瓜など夏野菜がびっしり植え込まれた写真も添付されていました。グリーンカーテンというより緑の障壁、とでも言ったらいいか、これなら涼しいだろうなあと思いました。

東京の今年は、地球温暖化ヒートアイランドといった従来の言葉では表しきれません。35度越えがもう20日以上続き、未だ続くという。我が家の狭い庭先でも、1日にバケツ2杯、時には3杯の水を撒いています。元気なのは観賞用パプリカ、実生の苗をプランターに定植しました。真夏にはやはり、こういう濃い緑の葉が似合う。コリウスやソバカスソウが伸びすぎるので剪り詰めるのですが、すぐに発根、苗がどんどん増えます。メルカリで売るか、とエノキさんに言ったら、あれは梱包が大変です、と忠告されました。