異次元の暑い夏

昨晩は久しぶりに冷房を入れず、窓を開けて寝ました。昼頃、1時間以上も雷鳴が轟き、激しい雨が降って、街が冷えたせいか、夜風が冷たかったからです。

どうも昭和世代は、冷房を入れる、殊に就寝中に入れるのに抵抗感があり、老夫婦が睡眠中に熱中死、というニュースを屡々聞きます。しかし今や、夜も早朝も決して涼しくありません。特に都会では、コンクリートアスファルトの蓄熱が夜間もじわじわ放出され、室温が下がらないのです。かつてはエアコンや扇風機をつけっ放しにして寝ると冷えすぎて死ぬ、というケースがあったこともあり、冷房が一般家庭で使われるようになったのは後発だったせいもあって、何となく贅沢感、罪悪感があるのかもしれません。

福祉に頼る生活でも、地域によっては冷房はもはや必需品になりつつあると考えるべきなのでしょう。我が家は通風抜群(蔵書のためにそういう家を選んだ)なので、白昼は冷房を入れず、陽光から遠い部屋でじっと本を読んで過ごすことにしているのですが、夜になると激闘後のようにへとへとです。耐暑だけでも体力を奪われる。

しかしこの暑さで元気になる者たちもいます。梔子を食い荒らす青虫です。近年、肉食蜂が丹念に葉陰を探索して退治してくれていたのですが、親虫がどうやらずっと低い枝に産卵して蜂の目を逃れたらしく、丸々と肥えた青虫が枝に貼り付いている。彼らは変に綺麗好きで、糞を遠くへ振り飛ばすので見つかるのです。観賞用パプリカの苗も、暑くなってからぐんぐん伸び始めました。石榴はたった1つの実が色づき始めています。

実生の石榴

それにしても昨日の雷は凄かった。稲妻やゴロゴロという音は、遠い雷なんですね。この辺はビルの避雷針が立ち並んでいるので大丈夫、とは思うものの、頭上からいきなり叩きのめすような轟音には怯えます。はたた神、という古名は実感なんだと思いました。