飛鳥山

炎天下に出かけました。ここへ引っ越してすぐの頃、盛夏には、午後2時頃は暑くて仕事もはかどらないからと、わざわざ炎天下に買い物に出かけていたのですが、今はもう、そんな蛮勇はありません。飛鳥山の近くで皮膚科を開業している従妹に蕁麻疹の薬を貰いに行くついでに、寄りたい所があったのです。

殆ど決死の覚悟で出かけたのですが、2時過ぎにはビルの影が伸びていて、日傘でしのぎながらコインバスと地下鉄を乗り継ぎ、灼熱に焼かれることもなく、お目当ての小さな店の戸口まで着きました。つばさ工房という、目立たない看板が出ていて、4時前なのにそろそろ店じまいの様子。買いに来たのはジャムの小瓶です。一つずつ蓋に、ピンキング鋏で切った色とりどりの端布のカバーが掛けてある。

障害者B型就労支援NPO法人の出店の1つです。ここにはジャムとストラップが置いてあります(電話03-3910-4617)。以前買った、青いレモンの皮のママレードが珍しかったのですが、あれは晩秋限定で、材料が入手出来ない年は作らない、とのこと。今あるのは苺とブルーベリー、キウイなどの定番のほか、橙や夏蜜柑、花梨などは地元の北区産、また晩白柚、ネクタリン、プラムなど、以前より種類が増えていました。

ミナト君の家族に見せたくて、詰め合わせの小さな箱を作って貰いました。材料は産地へ行って人脈をつなぎ、自分たちでレシピを工夫してここで作っている、とのこと。

従妹のクリニックは、コロナ以来完全予約制にしたそうで、診察は10分刻み。10年来の服用薬が入手困難になったとかで、新しい薬に代え、最近の健康状態を報告しました。65歳になった従妹は未だ未だ元気。これから老いに直面するんだよなあ、と内心で思いながら、未だ熱い舗道を、一里塚に啼く蝉を後にして帰りました。