コロナな日々 22nd stage

久しぶりで手芸をしました。リボンや庭先の植物など、あり合わせの材料でリースを作り、日ごろ何かと気遣ってくれる方へのサプライズ・プレゼント。予定では観賞用唐辛子の赤い実を鏤めるはずだったのですが、黄色と紫のまま、一向にクリスマスカラーになりません。お庭の赤い実や柊の葉を足して下さい、と書き添えました。

次にとりかかったのが、借りた本を返す時に添える栞作り。私たちの世代は、借りた本を返す際には、何かしらちょっと添える習慣でした。頂き物の容器や包んであった風呂敷を返す際にマッチ1箱などを添える、旧来の風習から変化したのでしょうか。葉書1枚、キャラメル1箱・・・人それぞれでしたが、私は日ごろから栞を作り溜めておき、本に挟むことにしていました。押し花や到来物に付いていた綺麗な包装紙、リボンなどで作っておくのです。本の貸借をすることがなくなり、むやみに忙しい日々を送る内にその習慣は廃れ、何十年ぶりの手芸です。

すっかり不器用になった自分を発見しました。リボンを結んだり、針金を通したりするのが、一気にしゅっといかない。もぞもぞしながらどうにか作り終えました。父も晩年、筆記用具を持つのに苦労していましたが、関節が硬くなり、眼が悪くなるのでしょうね。これが老いの現実、と苦笑しました。

コロナ禍で外出を控え、対面の機会も減って、老人たちは危機の中にあります(私もその一員)。運動不足、お喋り不足、用事を先延ばしし端折るうちにものぐさになる。80歳の知人に、電話でお喋りするきっかけにでもと考えて、自家製の南高梅砂糖漬を送りました。お返しが届き、餡と皮が別々の最中を初めて味わいました。さくさくとした皮(菓子屋では種と言うらしい)の食感は独特です。今年の歳末は、格別足早に過ぎていきます。